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街の外れに、その銭湯があります。夕暮れ時になると、一日の疲れをいやそうと方々からちらほらと人々が集まってきます。その目的はただ一つ、心行くまで身を湯にあずけることです。ただし長時間の使用はなるべく控えることにしましょう。というのは、白い湯気とともにその身が消えてなくなるおそれがあるからです。どうやら天井部に黒い穴がぽっかりと口を開いているらしく、温かい湯にのんびりと身をあずけているうちにその黒い穴がしだいに見えてくるという話で、さらにはいったんその黒い穴が見えたときにはもう遅く、後はそこへ向かってみるみると吸い込まれていくのだそうです。実際に、数名のお客様が入浴中に行方不明になられております。だからといって、当湯の利用をためらうのは早計です。ほどよい時間を守りさえすれば、天にも昇る心持となるでしょう。