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僕は、象を飼っています。普通の象とは異なります。普通の象と異なる点、一、水中眼鏡をかけている。二、僕をその長い鼻でぎゅうぎゅうと締めつける。一の方はともかく、二の方は直接僕にかかわってくることなので、見逃すことができません。あの水道のホースのような長い鼻がするすると伸びてきて、くるくると僕の身体に巻き付いていくのを想像するだけでもぞっとします。でも、どうして象はそうやって僕をぎゅうぎゅうと締め付けてくるのか、いくら考えても思い当たる節が見つかりません。それに、そもそもどうして僕が象なんてものを飼い始めたのか、そのきっかけがさっぱり思い出せないのです。おそらくそれらの疑問に対する答えのすべては象側にあって、僕はただ運命に放浪される卑小な存在にすぎないのかもしれません。さっき餌をやりにいったとき、水中眼鏡の奥の目がぴかっと光りました。きっと今夜もまた、僕はさんざん彼に痛めつけられることになるのでしょう。