図書館
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その青年は、長年豚の鳴き声に悩まされてきました。その鳴き声は、ときには苦しげであり、ときには寂しげであり、ときには悲しげでもあります。そこで彼はそれから逃れるように図書館へ足を運びます。彼の唯一の避難場です。大好きな本を読んでいるあいだだけは、豚の鳴き声が気にならなくなるからです。といっても依然世界はあいかわらず豚の鳴き声に満ち溢れていることに何一つ変わりはないので、彼はますます物語の世界にのめりこんでいかざるを得なくなるというわけです。こうして今日も彼は物語という名の翼を力いっぱい広げ、豚の鳴き声から少しでも遠ざかるために空高く飛翔します。